1.外壁の汚れの原因
そもそもなぜ外壁は汚れてしまうのでしょうか。それには様々な理由があります。
代表的な外壁汚れの原因の例を4つをご紹介いたします。
1-1.大気汚染による汚れ
普段、何気なく過ごしていますが、実は空気中には様々な汚れが含まれています。それは、車の排気ガスや地面から舞った砂などです。そのような汚れが、外壁の凹凸部分にたまりやすいのです。
この大気汚染による汚れを目立たなくするには、汚れが目立ちにくい色を選ぶ、もしくはセルフクリーニング機能(雨で汚れを落とす機能)のある塗料を選ぶようにしましょう。
1-2.湿気による汚れ・カビやコケの発生
カビやコケも外壁を汚す原因となります。カビやコケは日当たりが悪いジメジメした場所にも生えやすくなりますので、日当たりの悪い北面の外壁などに発生しやすくなります。
1-3.サッシ周りの汚れ
窓枠付近の外壁が汚れているのを見たことはないでしょうか。実はこれ、外壁塗料に使用しているシリコンに含まれる可塑剤や、サッシ周りのシーリング材に使用している可塑剤の油分が溶け出し、外壁を汚しているのです。最近では、変性シリコンといった可塑剤が少ないものや、ノンブリードタイプのシーリング材も出てきました。このようなものを使用すると、外壁も汚れにくくなります。
1-4.排気口周りの汚れ
お家の周りを見てみると、排気口や換気扇の吹き出し口から油汚れが垂れているのを見たことはないでしょうか。油汚れはとても頑固なので、定期的に清掃をしないと放っておくと取れにくくなってしまいますから、注意が必要です。
2.外壁の汚れが目立たない色
避けることのできない外壁汚れ。これを目立たないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
一番簡単な方法は、外壁に汚れが目立たない色を塗ればいいのです。では実際に、何色であれば汚れが目立たない色なのか、これからご紹介いたします。
2-1.一番選ばれているのは【グレー】
街並みを見てみると、グレーの外壁のお家が多いように感じることがあるのではないでしょうか。
これは、グレーの外壁は一番汚れが目立たない色のため、外壁の色に選ばれやすいからです。
ではなぜ、グレーは汚れが目立たないのでしょうか?
外壁に付着する汚れには様々なものがありますが、ほとんどの汚れの色は中間色です。砂や土埃は薄茶・黄土色で、苔やカビは緑を含んだ薄茶のような色です。そのため、多くの方は汚れが目立ちにくいグレーを選ぶことが多いのです。
2-2.グレー以外の汚れが目立たない色は【アイボリー・薄いブラウン・ベージュ】
「汚れが目立ちにくいという理由だけで前回も今回もグレーの外壁」
「近所もグレーの外壁が多いけど、汚れが目立たないならうちも・・・」
などと思ってしまう必要はありません。
グレー以外にも汚れが目立ちにくい色はございます。
グレー以外で汚れが目立たない色として、よく選ばれているのが、アイボリーや薄いブラウン、ベージュ系の色です。
これらの色はグレー色と同様に、煤煙や黄砂などの汚れが付着しても色が同化するため、あまり目立つことはありません。
また、こちらの色を選ぶと、家そのものの雰囲気も重くなりませんので、そのような点でもオススメです。
以上のように、外壁の汚れが目立たない色には、グレーやアイボリー、薄いブラウン、ベージュなどがあります。外壁の色に特にこだわりがなく、「まずは外壁の汚れが目立ちにくくしたい」とお考えの方はこのような色を選ぶとよいでしょう。
3.外壁の汚れが目立ちやすい色
汚れが目立たない色をご紹介しましたが、逆に汚れが目立ってしまう色も中にはあります。それは一体どのような色なのかお伝えいたします。
3-1.汚れが目立ちやすい色は【白・黒】
非常に綺麗に見える【白】や、スタイリッシュな印象を与える【黒】は、実は汚れが目立ちやすい色です。そのため残念ながらあまり外壁の色にはオススメできません。
外壁は時間が経つと砂や埃、苔など様々なもので汚れてきます。汚れの色をイメージしていただくとわかりやすいかと思いますが、白や黒などの原色と比べると色のコントラスト差が大きいため、汚れが際立ってしまうのです。
このように図を見てもわかるように、白や黒は汚れがどうしても目立ちやすくなってしまいます。どうしても白や黒に塗り替えたい場合には、セルフクリーニング機能を持った塗料を使用するとよいでしょう。
3-2.【赤系】は色あせが起こりやすい
ずっと日に当たる場所に本などを置いていると、ばっちり日焼けしてしまったなんてこと、皆さんも経験はあるのではないでしょうか?
その際に一番色あせが起こっているのは、何色だかご存知ですか?実は赤系の色です。
赤系の色は色あせが起こりやすく、逆に色あせが起こりにくい色と言えば青系の色です。古びた道路標識を見てもらえば分かり易いでしょう。赤い部分だけ見事に色あせが起こっています。
これは、赤や紫などは、紫外線などの波長が短い色を吸収しやすく、色あせが起こりやすいためです。反対に、青系の色は反射しやすいため、色あせが起こりにくくなっています。
このように、色は全ての色が均等に色あせするというわけではありませんので、外壁の色を選ぶ際にも参考にしていただければと思います。
4.外壁を汚れにくくする塗料とは!
外壁の汚れが目立たない色や汚れの原因をご紹介いたしましたが、「そもそも汚れにくい外壁だったらいいのでは?」と思う方もいらっしゃると思います。
ここでは簡単にですが、様々な機能を持った塗料をご紹介します。
お気に入りの色があり、その色をどうしても外壁の色に選びたい方は、次のような機能を持った塗料を選ぶとよいでしょう。
4-1.セルフクリーニング機能を持った塗料を選ぶ
セルフクリーニング機能とは、外壁についた汚れを雨で洗い流してくれるという機能のことです。
建物の外壁に塗ることで、塗膜の親水性(水になじむ)によって汚れが流れ落ちやすくなります。
塗料のグレードにもよりますが、シリコン塗料を使用する場合と比べ、材料費のみで見ると2割ほど価格が高くなります。
セルフクリーニング機能のある塗料は、排気ガスなどの汚れを定期的に洗い流してくれるので、幹線道路沿いにお住まいの方などにはオススメの塗料です。
4-2.防カビ機能を持った塗料を選ぶ
防カビ機能を持った塗料をお家の外壁に塗ることで、今後のメンテナンスが非常に楽になります。お家は日当たりや気候・周辺環境により、新築から1年であっても壁にコケやカビが生えることがあります。
防カビ機能を持った塗料には、初めから塗料自体に防カビ機能があるものと、普通の塗料に防カビ剤を添加し防カビ機能を持たせるものがあります。
最近の塗料は通常の塗料であっても、最低限の防カビ性があるものが多いです。しかし日当たりが悪い面などのしつこいカビや、特殊な菌・コケ・カビに対応する防カビ機能を持った塗料は、シリコン塗料を使用する場合と比べ1割ほど価格が高くなります。
日当たりが悪く、カビが生えやすい面がある場合には、是非防カビ機能を持った塗料を選ぶようにしましょう。
5.外壁が汚れにくい材質
外壁が汚れにくい塗料をご紹介しましたが、外壁が汚れにくい材質もあります。一般的に汚れにくいと言われているのは、タイルやサイディングなどです。さらに最近では、汚れにくいと言われているタイルやサイディングに、セルフクリーニング機能を持たせたものも出てきました。
◆タイル
◆窯業系サイディング 等です
しかしそれらの材質であっても、立地条件によっては外壁に汚れが付着してしまう場合もありますので、その際はご自身での掃除が必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。外壁の汚れが目立たない色や、汚れにくい塗料・材質をご紹介しました。外壁の汚れが目立たないようにするには様々な方法があります。是非、この記事を参考にしていただき、いつまでも美しいお家にしましょう。