おしゃれで爽やかさを与えることができる紺色(ネイビー)。近年外壁塗装において人気の色で「爽やかでクールな印象にしたい」という方に選ばれている色です。
しかし一言で「紺色で外壁塗装をしたい」といっても紺色1色で塗替えるのか、他の色との組み合わせてツートーンで仕上げるのか、建物の上部と下部どちらに塗るのかなどによって与える印象が大きく変わります。自分のイメージ通りの仕上がりの色にするためにも、どんな配色が良いのかなど、しっかりイメージすることが大切です。
そこで、今回の記事では紺色で外壁塗装したいとお考えの方に仕上がりのイメージを持っていただくために、紺色で外壁塗装した家の施工事例をご紹介します。また、紺色と相性の良い組み合わせ方など、紺色で外壁塗装する際のポイントもあわせてご紹介します。ぜひご参考にしてください。
1.外壁塗装で住まいを紺色(ネイビー)にした施工事例20選
一言で紺色と言っても紺色の中に様々な色味があり、塗装する色や配色の仕方によって感じる印象が大きく変わってきます。そこでまずは施工事例を見て、どのような印象になるか見てみましょう。紺色で外壁塗装したときの外壁をイメージするところからはじめます。具体的にイメージできれば、塗装をお願いする業者にも「こんな仕上がりにしたい」と明確に伝えられるようになります。
1-1.外壁を紺色にした施工事例
淡い紺色で塗装し、爽やかな仕上がりに。 |
定番の紺色×白色の組み合わせ。樋やベランダの柵も同系統の色にすることで統一感のある仕上がりに。 |
白×濃紺の組み合わせにワンポイントで葉っぱのイラストを描画。 |
紺色を1階部分に配色することで落ち着いた印象の仕上がりに。 |
黒色に近い紺色でシックな仕上がりに。 |
紺色のベースにサイディング模様を白色で塗装したことでデザイン性の高い外壁に。 |
紺色をラインに用いることでひと味違うオシャレな仕上がりに。 | ベランダのみ部分的に紺色を使うことで建物のデザインを強調。 |
紺色×黒色の配色で、落ち着きのある仕上がりに。 |
全面を紺色にし、樋などの付帯部を黒色にすることで統一感のある仕上がりに。 |
ベランダのみ部分的に紺色を使うことで建物のデザインを強調。 | 紺色×白色の組み合わせ。屋根には黒系統の色を使用し、統一感のある仕上がりに。 |
1F部分は白色をベースに、部分的にピンクなどで塗装し、ポップでおしゃれな仕上がりに。 | 紺色のベースにサイディング模様を白色で塗装したことでデザイン性の高い外壁に。 |
紺色×白色の組み合わせで、爽やかさを演出。塀も白色にすることで統一感のある印象に。 | 紺色、水色、白色の3色を組み合わせることで、デザイン性の高い仕上がりに。 |
外壁を爽やかな紺色に、屋根にも淡い色を持ってくることで統一感のある仕上がりに。 |
定番の紺色×白色の組み合わせで爽やかな仕上がりに。 |
紺色を1階部分に配色することで落ち着いた印象の仕上がりに。 | 両端を紺色にすることでひと味違うおしゃれな雰囲気に。 |
1-2.外壁塗装の「紺色」はこんな方にオススメ!
紺色は「落ち着いた印象で爽やかな感じの家にしたい」という方にオススメです。住まい全体を爽やかな印象に仕上げることができ、紺色のトーンが低くても重くなり過ぎることなく、落ち着いた印象の仕上がりにすることができます。また、嫌味のない爽やかな仕上がりになるため、「落ち着いた仕上がりにしたいけど黒だと近所の目が不安だ」とお悩みの方にもオススメできます。
さらに、紺色には心身を落ち着けてリラックスさせる効果があります。家にやすらぎ、安心を求める方にも紺色はオススメの色です。
2.外壁塗装で理想の紺色に仕上げる4つのポイント
第2章ではイメージ通りの紺色に仕上げるためにおさえておきたいポイントを説明します。一言で紺色と言ってもグレーや黒色に近い色など色味は様々で、塗料のカタログや色見本帳だけを見て色を決めてしまうと、塗装する前のイメージと実際の塗装後の仕上がりで大きく色が違って見えるという危険性があります。
イメージ通りの仕上がりにするために、ぜひ次のポイントを参考にして色選びを進めてみましょう。
2-1.全体の配色を決める
外壁塗装で紺色に塗装する場合、外壁全体を紺色1色にする、上下・左右で塗り分ける、ベランダなど一部分だけ紺色を取り入れるなど、様々な配色の方法があります。まずは、紺色1色にしたいのか、上下・左右で塗り分けたいのかなど、外壁全体の配色についてご自身のイメージを固めておく必要があります。
配色を考える上で、参考にしていただきたい配色イメージをまとめましたのでぜひ参考にしてください。
■外壁の上下・左右で色を分ける
上下で分けて塗装する場合、上部を紺色に塗装すると他にはないような個性あふれる仕上がりになります。下部を紺色にすると落ち着いたイメージが演出できます。
■部分的に色を取り入れる
ベランダだけ紺色にしたり、ワンポイントで色を変える方法があります。建物の形状にこだわりのある家であればデザインが強調されてオシャレになります。
このように、色の配色と合わせて、どこの部分を紺色に塗装するか、明確に決めるようにしましょう。
【補足】紺色と相性の良い色はなに?
それでは、外壁塗装で紺色を取り入れる場合、どんな色が相性が良いのでしょうか?オススメの配色をご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
1.紺色×白色
紺色と白色の組み合わせは定番の配色です。海や空のような爽やかな色を連想させる人気の配色です。
2.紺色×水色
紺色と水色の組み合わせは爽やかな印象の仕上がりになります。同系色なので、統一感のある、まとまった印象を与えます。
3.紺色×グレー
紺色とグレーの組み合わせは、大人っぽい落ち着いた印象を与えます。グレーと紺色を組み合わせることによって、少し暗すぎるように感じたら、白色や茶色をポイント的に塗ることをオススメします。
4.紺色×ベージュ
紺色とベージュを組み合わせると上品で優しい印象になります。白と組み合わせるよりも色差が小さいため、柔らかい印象を与えます。
2-2.色見本帳や塗料カタログをもとに理想の紺色を選ぶ
色、配色が決まったら様々な色の色味を確認できる色見本帳という冊子を見て、自分のイメージに合う紺色を探しましょう。塗料メーカーが発行している色見本帳を業者の方から見せてもらい、ご自身の気に入る色を見つけることができます。
※塗料や塗料を製造するメーカーによって、紺色の色味の種類が異なるため、色選びからこだわりたい方は塗料選びからこだわることをオススメします。
2-3.カラーシミュレーションで組み合わせを確認する
カタログや色見本帳の中で良いな、と感じた紺色を選んだあとは塗装業者に依頼し「カラーシミュレーション」を作ってもらいましょう。このカラーシミュレーションとは実際の写真をベースに屋根や外壁の色を変えたときにどのような仕上がりにできるのかPCなどの画面上でイメージできるツールです。
業者にカラーシミュレーションをお願いする際にはまずは、ご自身の好みの紺色を用いた外壁の配色でシミュレーションを3パターンほど作成してもらい、全体の配色を確認することをオススメします。候補を1つだけに絞ってシミュレーションを依頼すると「イメージと違うな」となったときに選び直しが必要になり、時間がかかってしまうため3つほどに候補を絞り、依頼しましょう。
しかし、画面上でのイメージと実際に塗ったときの仕上がりとでは、色味に差が出てしまうため、あくまでデザインや配色のバランスを見るツールとして使用しましょう。
カラーシミュレーションに関して、詳しく知りたい方は下記の記事に紹介していますのでぜひ参考にしてください。
2-4.大きな色見本板で実際の見え方をチェックする
色選びで一番多い失敗例が「仕上がりを見てみたら思っていた色と違う」という事例。このような失敗をしないためには「なるべく大きな色見本」で確認することをオススメします。
それでは、なぜ大きな色見本で色味を確認する必要があるのでしょうか?それは「面積効果」という効果によって、全く同じ色でも面積によって、色の見え方が違うからです。面積効果とは、色の錯覚の一種で全く同じ色であっても、小さな面積で見た場合と大きな面積で見た場合で見え方は違うように見えてしまう、というものです。実際に下の画像を見比べてみましょう。
いかがでしょうか?同じ紺色でも左側の小さい四角のほうが、濃く暗い色に見えないでしょうか。面積効果という色の特性によって、面積が大きくなればなるほど、明るい色はより明るく、鮮やかな色はより鮮やかに、暗い色はより暗く感じます。
塗装する外壁は非常に大きい面積のものであるため、色見本帳などで確かめた色味とは違う色味に見えることもあります。そのため、色見本帳やカラーシミュレーションで色を選んだあとは必ず大きな色見本板で色味を確かめる必要があるのです。塗料メーカーが作成している色見本板ではA4サイズ(高さ297×幅210mm)のものが一般的なようですが、業者によっては、A4サイズよりも大きいサイズの色見本板を用意している会社もあります。なるべく大きいサイズの色見本板で確認するようにしましょう。
また、色見本板で色を確認する際には、必ず屋外で色を確認するようにしましょう。屋内で見たときの色味と屋外で見たときの色味は感じ方が違うため、実際の外壁を見る環境と同じ環境(晴れた日の日中、太陽光の下)で実際に外壁に当てながら色見本を確認することで、イメージにかなり近い色を選びやすくなります。
以上のポイントをもとにイメージに合う紺色を選ぶことをオススメします。
3.外壁を紺色にする際の塗料選びの注意点
3-1.耐久性が高く汚れにくい塗料を選ぶ
紺色は濃い色のため、ベージュなどの淡い色と比べて色あせや汚れがより目立ちやすくなってしまうというデメリットがあります。
この「色あせや汚れが目立つ」というデメリットを補うためには、外壁塗装する際の塗料選びで次の2つに当てはまる塗料を選択することをオススメします。
①耐久性の高い塗料
塗料の耐久性が高ければ高いほど、チョーキングや色あせなどの劣化症状の発生を長期間抑えることができます。塗料の耐久性が高い塗料として一番オススメする塗料は「高耐久シリコン塗料」という塗料です。この高耐久シリコン塗料は、製品によっては15年以上の期待耐用年数を誇る製品もあり、フッ素塗料や無機塗料などの高耐久塗料と比較しても費用を安価に抑えることができるため、近年人気の塗料です。また、耐久性のより高い塗料で塗装したい、という方はフッ素塗料や無機塗料を用いて塗り替えすることをオススメします。
②汚れに強い塗料(低汚染性、防カビ性の高い塗料)
汚れに強い塗料は雨が降った後にできる雨筋汚れや、カビ・藻の発生を抑える効果があり、外壁の汚れを長期間防ぐことができる塗料です。
3-2.塗料の艶(ツヤ)選びにも注意が必要
紺色に塗装すると、外壁表面の艶が目立つ場合があります。紺色は黒色に近い色であるため、光の反射が目立ちテカテカしているように見えてしまいます。紺色のクールな印象とツヤツヤとした質感が合わないように見えてしまうことがあるので、艶の選択にも注意が必要です。
このように艶のある塗料と艶を抑えた塗料とでは違う仕上がりになります。光沢感がある仕上がりがよい、落ち着きのある仕上がりが良い、など艶の感じにこだわりのある方は、艶の選択にも気をつけて塗料を選ぶようにしましょう。
塗料の艶の種類は艶の程度によって、以下の5種類に分かれます。
・艶有塗料(全艶)・7分艶塗料・5分艶塗料(半艶)・3分艶塗料・艶消し塗料
艶有塗料(全艶塗料)が最も艶があり、7分艶・5分艶・3分艶・艶消しと、艶がなくなっていきます。
紺色の塗料で塗装する際に、光沢感のある仕上がりにしたい、という方は艶有塗料(全艶)を、光沢感のあるテカテカした仕上がりを抑えたい、という方は3分艶、または艶消し塗料、を選ぶことをオススメします。
3-3.【補足】室内の温度が上がる?
白色は太陽光を反射するのに対して、黒色に近い色は太陽光を吸収しやすいという性質があるため、紺色にした場合でも室内が暑くなるのか?と気になる方も多いかと思います。
しかし、建物内に断熱材が施工されている建物であれば、外壁に紺色を選んでも、白色を選んだ場合と室内温度に差が発生しないことが多いです。
一方で外壁の表面温度は色の違いにより、大きく温度が変化します。特に夏場の暑い時期には黒色や紺色の外壁と白い外壁では、15℃以上も温度の差が発生すると言われています。蓄熱した外壁は非常に高温状態にあるため、間違えて触らないように注意しましょう。
まとめ
今回の記事では外壁塗装で住まいを紺色(ネイビー)にしたい方に向けて実際の事例、色選びを進めるポイントをお伝えしました。まずは様々な施工事例をチェックし、好みの紺色や配色を選んでいきましょう。そして、外壁をどんな仕上がりにしたいかイメージを膨らませた上で、色見本板やカラーシミュレーションを通して色や塗料を具体的に選んでいくことをオススメします。